QAIPとは?内部監査の品質を高める仕組みと構築・運用のポイント
QAIP(Quality Assurance and Improvement Program)とは、内部監査部門において内部監査の品質を継続的に評価・改善するための枠組みです。
QAIPは、内部品質評価(Internal Assessment)と 外部品質評価(External Quality Assessment)を組み合わせることで、
内部監査活動全体の品質の体系的な管理が可能となります。
近年、国内においても内部監査の高度化が求められるようになっており、監査の有効性と信頼性を担保する基盤として、QAIPは企業・金融機関において重要性が高まっているのは間違いありません。内部監査が経営に資する機能としてさらなる価値を発揮するため、このQAIPの適切な構築と運用は不可欠です。
QAIPとは
内部監査の国際基準を策定する内部監査人協会(IIA)では、各組織内の内部監査部門に対してQAIPの導入を明確に求めています。
IIAの「内部監査の国際基準」については、以下のとおりです。
「内部監査部門は、品質保証および改善プログラムを策定し、維持しなければならない。」
また、QAIPは単なる品質管理に留まるものではありません。内部監査の有効性を評価することで、継続的に改善していく仕組みとしての役割が求められています。
QAIPの構成要素(内部評価と外部評価)
QAIPは、基本的に大きく以下の2つの要素で構成されています。
- 内部品質評価(Internal Assessment)
継続的モニタリングと定期的自己評価により、日常的に監査品質を確認・改善する仕組み - 外部品質評価(External Quality Assessment)
少なくとも5年に1回、独立した第三者が内部監査の品質を評価
この内部評価と外部評価の組み合わせによって、内部監査の品質の多面的かつ客観的な評価が可能となります。
QAIPの目的
QAIPの目的は、内部監査の品質を確保するだけではありません。その本質は、内部監査部門の価値を高めることにあると言って良いでしょう。主な目的は以下の通りです。
- 内部監査の国際基準への準拠性確保
- 監査活動の有効性・効率性の向上
- 内部監査の信頼性向上
- 継続的改善の実現
IIAのガイダンスにおいても、QAIPは内部監査の成熟度を高めるための重要な仕組みと明記されているため、組織として強く意識しなければなりません。
QAIP構築のポイント
QAIPを効果的に機能させるためには、単なる形式的な整備だけでは十分ではないでしょう。より効果的なQAIPを実現させるためには、実務に根ざした設計が重要です。主なポイントは以下のとおりとなります。
- 評価基準の明確化
IIA基準や社内規程に基づいた評価項目を設定し、客観的な評価を可能にする - レビュー体制の整備
監査調書や報告書のレビュー体制を構築し、品質のばらつきを防止する - 評価結果の活用
評価結果を改善計画に反映し、実効性のある改善につなげる - 外部品質評価との連携
内部評価と外部評価を連動させ、より高度な品質管理を実現する
また、QAIPは「構築して終わり」となるわけではありません。組織の変化などに合わせ、継続的に改善していく姿勢が大切です。
QAIPと内部監査の高度化
金融庁は、企業や金融機関の内部監査に対して「経営に資する機能の発揮」を求めています。(金融庁「金融機関の内部監査の高度化に向けた現状と課題」2019年)
こうした当局の要求する高度化の実現を図るためには、内部監査の品質を継続的に高める仕組みが必要不可欠です。そして、その中核となっていくのが、QAIPとなります。
QAIPを適切に運用すれば、監査プロセスの改善、リスクベース監査の高度化、監査人のスキル向上などが促進されていくでしょう。これらを的確に実現していければ、内部監査全体のレベルアップにもつながります。
QAIPは内部監査高度化の中核に
QAIPは、内部監査の品質を体系的に管理し、継続的な改善を実現するための重要な仕組みです。内部品質評価と外部品質評価を組み合わせれば、内部監査の信頼性と有効性の向上に寄与するでしょう。
内部監査の高度化を目指す上で、QAIPの整備・運用は避けて通れないテーマなのです。
弊社は、内部監査の専門資格であるCIA(Certified Internal Auditor)を有し、QAIPの構築・高度化支援に豊富な実績を持つ専門家が在籍しております。QAIPの整備や内部監査の高度化をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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