東京から西日本に行く際、例えば新幹線を利用すると滋賀、京都、大阪、兵庫はそこが目的地じゃなくとも通るだろう。新幹線の窓から街並みを見る機会もある。一方で、目的地としない限り一切足を踏み入れる必要がない近畿地方の街…それが和歌山だ。筆者もこれまで生きてきた中で、全く和歌山に触れることはなかった。これではいけない…と思い立ち、今回は和歌山に足を運ぶことにした。
1日目
東京から和歌山までは新幹線でまず新大阪まで移動。それから特急「くろしお」を利用して向かうことになる。時間は東京〜新大阪がだいたい2時間半、新大阪〜和歌山1時間10分ほど。まぁ、結構遠いものの東京〜広島よりはやや早いと言える。

和歌山駅は阪和線、和歌山線、紀勢本線が通っており、ちゃんと大きい駅だった。ただ、エスカレーターはなく、だいぶ古さも感じられる。駅は和歌山MIOというショッピングセンターと直結しており、駅地下には飲食店も複数入っているのでとても便利だ。

まだ時間は十分あったため、一度荷物を置いてから和歌山城へ。和歌山(紀伊)は徳川御三家の一つである紀伊徳川家の本拠地であり、江戸時代は城下町だったことで知られている。

本丸などは空襲の影響で焼失して現在は再建されたものとのことだが、石垣、堀、一部城門は遺構として現存。特に石垣は非常に高く、流石御三家の城といった威圧感だった。

本丸内部は資料館としての役割を担っており、紀州藩の遺物が展示されている。この日は平日だったこともあって、人はあまりいなかった。

最上階からは外に出ることも可能。和歌山城の天守閣から、和歌山の街並みを一望できる。海も山もある和歌山の景色はとても美しかった。花粉さえなければもう少しいたのだが…。
和歌山城近くには歴史館もあった。そこまで大きな建物ではないが、和歌山県の偉人一覧などがあり、歴史好きにはおすすめだ。

夜は和歌山ラーメン。豚骨醤油で食べやすい。
2日目

この日は高野山を目的地として朝から出発。在来線を利用して高野山へ行くには、まず和歌山線で橋本駅まで向い、そこから南海高野線の乗り換えて終点の極楽橋駅へ。遠いな…。

極楽橋駅は綺麗で雰囲気を感じさせるもの。さすが一大観光地だけあって、気合が入っている。ここから高野山ケーブルに乗ると、高野山に到着だ。


高野山駅からは延々山道が続くので、絶対にバスに乗って移動すべき。これらの時間を合計すると、だいたい2時間半くらい。乗り継ぎがうまくいかなければもっと時間がかかるのだから、とんでもない遠さである。和歌山県内の移動なのに…。

そんなこんなで高野山に到着。山に囲まれているため、和歌山市内と比べても気温が低く感じる。帰りの時間を考えると、あまり長く滞在はできないと考え、とりあえず向かったのは金剛峯寺。

高野山真言宗の総本山であり、1200年以上の歴史を誇る寺院。観光客はまばらで、写真も撮りやすい。


金剛峯寺は本堂の中に入ることも可能。厳かな雰囲気を感じつつ、庭や襖絵の美しさを見ることもできる(襖絵は撮影禁止)。冬はとんでもなく寒いんだろうな…。

台所に設けられていた竈。説明書きのところに「重要行事の際に使用しております」とあり、まだ現役なのかと少し驚いた。

さて、高野山は金剛峯寺のみならず、他にも重要なスポットがいくつか点在している。その一つが「奥之院」だ。1200年以上前にこの高野山を開いた弘法大師の御廟がある場所であり、2kmもの参道には約20万基以上とも言われる供養塔が立ち並んでいる。金剛峯寺からは歩くと結構な距離となるため、体力がない人はバスを使うべし。


奥之院は入り口からずらりと供養塔が立ち並ぶ圧巻の光景。お墓なので写真は貼らないが、豊臣秀吉とか結城秀康とか浅野内匠頭とか、本当に…?と思ってしまうような名前の墓所もあった。
参道を奥に進んでいくと、見えてくるのが高野山の信仰の中心となる奥之院。御廟橋を渡った先は聖地であり、撮影も禁止だった。拝殿にあたる燈籠堂に入ると、中は燈籠の光でぼんやりと照らされ、堂内にはお経の声が響き、あまりにも厳かだった。どんなにおしゃべりな人も、ここでは黙ってしまいそうな迫力…一度は足を運んでみるべき場所と言える。
しばらく滞在した後で、バスの時間も迫っていたので奥之院を後に。歴史的にも宗教的にも大きな価値ある場所だが、やはりアクセスの関係からそこまでの観光客はおらず。だからこそ、おすすめかもしれない。遠いけど。
ちなみに、帰りも行きと同じルートを選択したものの、橋本駅で1時間近く電車を待つ羽目に。南海高野線が橋本駅に到着する5分くらい前に、和歌山行きの和歌山線が出発してしまったためだ。そこは調整してくれよ…というちょっとした愚痴。橋本は昔から大阪、奈良、和歌山をつなぐ交通の重要地であるとのことだが、駅周辺は特に何かがあるわけではなかった。多分、散策するなら車は必須だろう。

高野山と極楽橋をつなぐケーブルカー。やたら綺麗でびっくりだった。
3日目
この日は2泊した和歌山市に別れを告げ、南へと出発。目的地は和歌山屈指のリゾート地である白浜。白浜と言えば何を想像する?そう、「アドベンチャーワールド」です。残念ながらパンダは去年中国に返却されいなくなったが、それでも屈指の知名度を誇るテーマパークであり、一度は足を運んでみたかった。
和歌山から白浜までは、初日に利用した「くろしお」で大体1時間半。和歌山は南に行くのも西(橋本方面)に行くのも時間がかかる。大きな県だなというのが今回の旅でよくわかった。

白浜駅に到着後は、迷わずタクシーを利用。パスもあったが、少しでも時間を確保したかったからだ。タクシー料金は大体1500円くらいなので、まぁ許容範囲と言えるだろう。

というわけで到着。
最初に思ったのは、「あれ?思ったより人がいないな」だった。この日は土曜日で、風はえらく強く寒かったものの快晴。結構な人混みを覚悟して行ったのだが、そんなことはなかった。後でホテルに向かう際に利用したタクシーで、運転手さんから「この時期は人が少ない」「3月後半くらいは人が多いかな」と話してくれたので、ある意味ちょうど良い時期に行けたいうこと…なのかな。
エントランスドームを抜けるといきなりゾウがいる。また、パンダを懐かしむようなコーナーもあった。そこを通り抜け、まずはペンギンやアシカ、アザラシのいる海獣館へ。

ここはとても面白かった。エンペラーペンギンやキングペンギン、ジェンツーペンギン、アデリーペンギンなど多種多様なペンギンが思い思いの行動をとっていた。

ペンギンって自由だな…。館内にはペンギンをじっくり見るための椅子や、座って見るためのクッションなども置かれており、「ここで時間使って良いよ」と後押しされる気分になる。その思惑通り、いきなりここで結構な時間を使った。

その後はブリーディングセンターへ。パンダが去った後のアイドル枠となり得るレッサーパンダのいる場所だ。屋外展示場に1匹、屋内展示場に2匹おり、爆睡していた屋内の1匹を除き忙しなく歩き回っていた。レッサーパンダ、可愛いよな。ただ、パンダに比べると小さくて動き回るので、じっくりその姿を見るのが難しい印象もある。そう考えると、パンダって色々と絶妙だったんだなぁ。
レッサーパンダを見てから、サファリワールドへと移動。ここはケニア号という列車に乗って動物を見るコースと、ウォーキングコースで分かれている。自分はとりあえずウォーキングコースを選択した。

こちらがケニア号。

最初に出会ったのはマントヒヒ。かなり広大なエリアで思い思いに生活している姿が見られた。観光客がおやつを与えられるようにもなっており、投げられたおやつを的確にキャッチする姿も楽しめる。

もはや野生など失ったチーター。ここの檻に「噛むこともあります」とやたらポップなイラストを添えた注意書きがあったが、それって一大事では…?

面白かったのは「キリンテラス」。キリンやシロオリックスなどがのんびり暮らしているエリアだが、キリンをこんなに至近距離で見たのは初めてだったかもしれない。
それまで自由に歩き回っていたキリンが、おやつタイムになった途端スーッと集まってきたのはちょっと笑ってしまった。こんなにデカくても考えることは一緒なんだな。この日は前述したようにかなり寒かったけど、アフリカに生息しているキリンたちは平気なんだろうか。平気そうだったけど。

やたらずんぐりしているシマウマもいた。
その後も歩き続き、シカ、サイ、スイギュウ、マレーバク、カンガルーなどを見ることに。客から餌を口に入れてもらうのを待つサイとか、へそ天で寝るカンガルーとか、全然危機感ない動物たちが多かった。いや、危機感持っていたら変なんだけどね。自分も動物だったらこういう動物園で生きていきたい。

サファリワールドの最後には「ライオンテラス」が設けられていたが、奴らは辛うじて見える場所で寝ていた。まぁ昼だしね。チーターもそうだったが、遠目だと完全に猫なんだよな。
サファリワールドから戻り、一旦遅い昼食のためレストランへ。綺麗なレストランで接客も丁寧だったけど、客は自分以外に1組だけだった。まぁ、閉店間際だったというのはあるが。

ハンバーグは美味しかった。

ランチを終え、次に向かったのは「ふれあい広場」。カピパラやフラミンゴ、チンパンジーなどのいるエリアだ。

また、ちょうどカバのおやつタイム(しょっちゅうやっているのかも)であり、子どもたちがカバの口におやつを放り込んでいた。「おやつをあげる時は間を空けないよう注意してください!終わったと思ってカバが帰っちゃうので」とスタッフの人が言っていたのは面白かった。マイペースだな、カバ。
時間もそろそろ…となったため、最後に再び海獣館へ。全体的に楽しめたけど、一番良かったのはペンギンだったかもしれない。向こうも人間に興味津々な感じで面白いんだよな。

なぜかガラスに張り付いていたペンギン。嫌なことでもあったのか……。
達者で暮らせよ…と思いつつエントランスドームの出口へと向かう。
初めてのアドベンチャーワールドはとても楽しかった。3月前半という時期もあった?のか人も多くなく、見たい角度から見たいだけ動物を見ることができた。満足ですね。
アドベンチャーワールドを後にし、向かった先は白浜町。美しい砂浜で有名な場所だ。

とはいえ、到着時は日没寸前だったので散策は明日とした。
夕食はホテルのビュッフェ。泊まった場所周辺に飲食店がなく、宿泊したホテルも夕食はやっていなかったので、隣のホテルに行くこととなった。ステーキやら天ぷらやらのある豪華なビュッフェで美味しかったです。
4日目
この日は帰りの飛行機の時間もあったため、ほぼ観光の時間は作れず。ちなみに南紀白浜〜羽田の飛行機は1日3本しか飛ばないため時間には注意しなければならない。
また、この日も非常に風が強く3月でありながら体感気温は氷点下。和歌山って南国のイメージだったのにな…と思いつつ、バスで白良浜へ向かうこととした。

美しい…。強風でありながら砂埃が舞うこともなく、実際に歩いた感触は砂というよりちょっと土っぽい?とにかく綺麗だ。

海も綺麗。青い海、白い砂浜とはこういうことを言うんだろうな…。しばらく何も考えず海を眺めていたかったが、何せ寒い。もったいないとは思いつつ、退散することにした。その後は再びバスで南紀白浜空港へ。

綺麗だけでちっちゃい空港。ピアノも置かれており、乗客の演奏を楽しみつつ、帰路に着くこととなった。
これにて、和歌山への旅は終了。初めて訪れる地だったが、観光スポットも多く旅行しがいのある地だと思う。ただ、全体的に遠い。和歌山の魅力を堪能しようと思うなら、まとまった時間の確保は必須だと思う。今回行かなかった熊野方面にも足を運びたいと思うなら尚更だ。個人的には、やはりアドベンチャーワールドが良かったですね!
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