内部品質評価とは?内部監査の質を高める方法と実務ポイント
内部品質評価(Internal Assessment)とは、内部監査の品質を継続的に確認・改善するための仕組みです。内部監査の高度化が求められる昨今、その前提となる「監査の質」を担保する手段であり、企業や金融機関における重要性も日増しに高まっていると言えるでしょう。
内部監査が経営に資する価値を発揮するためには、監査活動そのものの品質が確保されていなければなりません。そのため、内部監査部門が自ら実施する内部品質評価は、内部監査の信頼性と有効性を支える基盤となり得ます。
内部品質評価とは何か(定義と位置づけ)
内部監査の国際基準を策定する内部監査人協会(IIA:The Institute of Internal Auditors)は、組織の内部監査部門に対して品質保証・改善プログラム(QAIP:Quality Assurance and Improvement Program)の構築を求めています。
IIAにおける「内部監査の国際基準」は、以下の通りです。
「内部監査部門は、品質保証および改善プログラムを策定し、維持しなければならない。」
内部品質評価は、このQAIPの中核を構成する要素であり、内部監査の品質を日常的かつ体系的に評価する役割を担っています。
内部品質評価の方法(継続的モニタリングと自己評価)
内部品質評価は、主に次の2つの方法で実施されます。
- 継続的モニタリング(Ongoing Monitoring)
日常の監査業務の中で、監査手続の適切性、調書の品質、レビュー体制などを確認する手法です。継続的モニタリングの実施によって、内部監査部門に潜む問題の早期発見や迅速な改善につながります。 - 定期的自己評価(Periodic Self-Assessment)
一定期間ごとに内部監査活動全体を評価する手法です。監査計画、リスク評価、報告、組織体制、人材スキルなどを総合的に点検することで、内部監査部門全体の見直しに繋がります。
内部品質評価ではこれらの評価を組み合わせることにより、内部監査部門の品質を継続的に維持・向上させることを目指しています。
内部品質評価の目的
内部品質評価の目的は、単なる自己点検にとどまらず、内部監査の価値向上につなげるところにあると言えるでしょう。
内部品質評価を実施する主な目的は、以下のとおりです。
- 内部監査の国際基準への適合性確保
- 監査品質の安定化・標準化
- 課題の早期発見と改善促進
- 外部品質評価(EQA)への対応力強化
特に近年では、内部監査に対して「経営に資する監査」が求められる傾向にあります。こうした経営陣などからの要求を実現するためには、高品質な監査プロセスが必要不可欠となるでしょう。
内部品質評価の実務ポイント
内部品質評価は、ただ実施すれば良いと言うものではなく、実効性あるものとしなければなりません。
実効性ある内部品質評価を実施するためには、以下のポイントが重要です。
- レビュー体制整備
監査調書のレビューや承認プロセスを明確化し、品質を担保する - 評価基準明確化
IIA基準や社内ルールに基づいた評価項目を設定し、客観性を確保する - 改善サイクル(PDCA)確立
評価結果を改善計画に反映し、継続的な品質向上につなげる
これらに加えて、内部品質評価は人材育成にも有効です。レビューやフィードバックを通じて監査スキルが向上し、内部監査部門全体のレベルアップにつながる期待が持てます。
内部品質評価と内部監査の高度化
金融庁では、2019年に発表した「金融機関の内部監査の高度化に向けた現状と課題」において、内部監査では「経営に資する機能の発揮」が重要であると指摘しています。
こうした当局が期待するような高度化を実現するためには、内部監査の品質を継続的に高める意識が必要不可欠です。そして、その基盤となるのが内部品質評価となります。
内部品質評価を通じて監査プロセスを見直し、リスクベース監査やフォワードルッキングな視点を取り入れることで、より付加価値の高い内部監査へと進化することができるでしょう。
内部品質評価は内部監査高度化の出発点
内部品質評価は、内部監査の質を担保し、継続的な改善を実現するための重要な仕組みです。適切に運用することで、内部監査は単なるチェック機能から、経営に貢献する戦略的機能へと進化します。
そして、内部品質評価の高度化を図るためには、国際基準に基づいた実務対応と専門的な知見が不可欠です。
弊社には、内部監査の専門資格であるCIA(Certified Internal Auditor)を有するほか、内部品質評価やQAIP構築に豊富な実績を持つ専門家が在籍しております。内部品質評価の高度化をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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