電研紀行・南九州編にて、当初は福岡へ行く予定だったものの、ホテルの予約がとれずに予約変更した旨を書いた。結果として宮崎・鹿児島旅行も楽しいものだったので問題はなかったが、やっぱり福岡にも行ってみたいところ。今回、ホテルもしっかり確保できたので、ついに博多方面へ旅立つこととなった。
東京から博多まで行く手段として、もっともメジャーなのは飛行機のはず。調べてみたところ、羽田空港から福岡空港までは1時間50分ほど。しかも空港から市の中心まで行くのも時間はかからず、基本的には飛行機がおすすめだろう。
そんな中で、自分は新幹線を選択。空の旅が苦手なのは変わらないのだ。乗り心地を重視した結果とはいえ、5時間ほどの時間をかけて博多へ。岡山を過ぎたあたりからはトンネルばかりで景色を楽しめず、耳もおかしくなるのでまぁ飛行機のほうが良いな…とは思いました。
1日目
結果として、この日が今回の旅で唯一天気の良い日だった。お昼過ぎに博多へ到着し、駅近くのホテルに荷物を置いて向かった先は…「吉野ヶ里遺跡」。いきなり福岡県ではなく佐賀県じゃないかと自分でも思ったが、博多から行きやすいこと、屋外施設なので雨は避けたいことが理由だった。
吉野ヶ里遺跡へ行くため、まずは特急を利用して吉野ヶ里公園駅へ。

道中で撮った鳥栖駅。奥にはサガン鳥栖のスタジアムが見える
駅から降りると、非常に開けた風景が飛び込んでくる。また、少し辺りを見回すと「吉野ヶ里遺跡はこっち!」という案内があちこちにあり、非常に親切設計だと思った。
田園風景に囲まれながら、吉野ヶ里遺跡へ。駅からしばらくは人もいなかったが、遺跡が近づいていくうちにちらほらと人影も見え始める。
入口は広くて綺麗。カフェ的なお店も入っており、大きな観光スポットという印象だ。人はあまりいなかった。

遺跡までの道にはこんな感じの人形?もあった
しばらく歩いていくと古の建造物が姿を現す。遺跡は思っていたよりはるかに広大であり、建造物も密集しているというよりは、各所に点々と建てられている印象だった。
壕と柵に囲まれた空間には、竪穴住居がいくつも見られた。家の中に入ることも可能で、中には当時の格好を模した人形も置かれている。
家の中はひんやりとしていたが、梅雨や夏はどうなんだろう。当時は今ほどの湿度&気温ではなかったかもしれないが…。
遺跡には南内郭、北内郭があり、南は王などが住んでいた場所、北は儀式なども行われる集会所とのことだ。その間には中のムラと呼ばれる場所や、高床倉庫などもあった。
高床倉庫も中に入れる。
主祭殿にて儀式を行っている様子。
さらに奥へ進んでいくと、見えてくるのが北墳丘墓。この集落の王が埋葬された場所であり、こちらもなんと中に入れる。
内部は発掘調査が行われていた姿を目にすることできるようになっており、本物の遺構がどのように発掘されているかが見れるようになっているのだ。歴史好きなら足を運んで損はないと思う。
古墳を出た辺りからだろうか、雲行きはどんどん怪しい感じに。吉野ヶ里遺跡全体の展示室(写真禁止)を見ていたら、雨がポツポツ降り始めてきたので退散することにした。
夜は博多のとんこつラーメン。福岡に来たらやはりラーメンだ。本当は中洲の方にも行って有名な屋台がどのようなものか見てみたかったが、天候と疲労がそれを許してくれなかった。
2日目
朝からザーザーと雨が降る中で、この日はかねてより決めていた大宰府へ行くことに。大宰府は太宰府市なので博多の観光していないなと思いつつ、やはり福岡に来たら一度は行っておきたい場所だ。
太宰府駅は和の雰囲気を出した駅であり、京都の嵐山駅と雰囲気が似ている。さすがは福岡でも屈指の観光スポットだけあり、悪天候でも多くの観光客がいた。
駅から太宰府まではのんびり歩いても10分程度。道中には多くの店が立ち並んでおり、かなりの賑わいだった。調べてみると、毎年1000万人が訪れる場所らしい。やっぱり福岡って凄い。
太宰府天満宮は平安時代の人物である菅原道真を祀る神社だ。道真は非常に有能な人物として中央で辣腕を振るったが、讒言によって太宰府に左遷されてしまいこの地で死去。その後、都では疫病や異常気象が続いたことから道真の祟りだと考えられ、この太宰府天満宮が建てられたという。現在は学問の神様として有名なこともあり、多くの受験生の姿も見られた。
とりあえずお参りを…と思ったらこの人の多さである。ちなみに2025年3月時点では、本殿は改修中となっていた。前に道後温泉へ行ったときも本館が改修中だったことを思い出す。絶妙に持っていない。
やたらとデザイン性の高い仮本殿でお参りを済ませ、辺りを散策。近くには宝物殿や菅原道真資料館のような施設もあり、見応えは十分。この辺りから雨足がいよいよ強くなってきたこともあり、屋内で過ごせる場所が多いのはありがたかった。

撮影OKな展示が多かった印象
太宰府天満宮関連の施設なのだから、当然道真に関連するものが多い。ただし、神様として祀られているからか、祟りに関しての記述は見かけず。とにかく有能な人だったとの紹介が目立っていた。
この日はちょうど1年に1度、「曲水の宴」が行われる日であったらしく、平安装束に身を包んだ人たちの行進も見られた。ただ、雨のピークもちょうどこのタイミングだったのは残念。傘がね…。
実際にこの地へ来るまで知らなかったが、太宰府天満宮の近くには九州国立博物館があるらしい。博物館を見て回るのは好きだったので、せっかくだからと足を運ぶことにした。
めちゃくちゃ長いエスカレーターに乗り、山上のような場所にやってくると見えてくるのがこの博物館。さすが国立だけあってデカい。

館内も広くて綺麗
この時期にやっていたのは「はにわ」の特別展。全国各地から出土した様々なはにわが展示されており、見応えは十分だ。
写真撮影も基本的にOK。この辺、やたらと寛容だなと思いつつ写真をパシャパシャと撮っていく。
日本がアニメや漫画が好きな原型がこのはにわな気がする。前日に吉野ヶ里遺跡へ行ったのと併せて、古代日本について知る旅になった。
一般展示の方も充実した内容となっており、総じてとても満足度が高かった。これから福岡へ行く予定の人にはぜひお勧めしたい。
太宰府周りの観光を終えて、博多へと帰還。この日は一日雨が降り続いていたので、またしても中洲の屋台へ行くことは断念した。
3日目
この日は再び5時間をかけて帰る必要があるため、あまり遠出はできず。それでもどこかに…との思いは持っていたので、大濠公園に足を運ぶこととした。
ちなみにこの日もあいにくの天気。そして寒い。今回の旅とは関係ないが、日本の四季はいずれ死語になるんだろうなと思っている。すでに秋は存在しないようなものだし。
昔ライターとして大濠公園を「福岡県でおすすめのデートスポット」として紹介したことがあった。あの時は完全にこたつ記事だったが、実際に足を運んでも確かにデートスポットっぽいなとは思う。
周囲を池で囲まれており、静けさに包まれていてとても雰囲気がある。まぁ時間帯、天候などの影響もあってか、カップルどころか人影もほとんどなかったけど。
大濠公園近くには鴻臚館や福岡城跡もあり、この地域の歴史を知れる場所でもある。江戸時代には、博多が商人の街、福岡が武家の街だったのだとか。今は良い感じに融合しているなと感じた。
そんなわけで、今回の旅はおしまい。食べ物は美味しいし、歴史的建造物はあり、九州最大の都市として発展もしている。とても観光しがいのある地域だと思った。2泊3日(新幹線移動があるので実際には2日程度)では、到底全てを見ることはできず、ぜひまた来たいと思う。今度は天気に恵まれると良いな!
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