昨年、函館を旅したことで初めて訪れた北海道。グルメが充実しており、9月の気候も良く、充実した時間を過ごせたこともあり「来年も行こう」と強く思った。
そして今年、有言実行。北海道の中でももっとも過ごしやすい時期として知られる6月、再び北の大地を訪れることに。とはいえ、北海道は広大であり、一度にあちこちを訪れるのは無理。北海道出身の友人たちは口を揃えて「釧路は良いぞ」と勧めてくれたが、よくよく考えると北国最大の都市である札幌に行ったことがない。流石に札幌へ行かずして北海道は語れないだろうという思いから、今回の旅先は決まった。
1日目
梅雨にも関わらず異例の猛暑日となった東京を飛行機で後にし、北の大地へ。新千歳空港に降り立つと、5℃くらい気温が低いことがわかった(それでも30℃はあった)。さすが北海道……それでも暑かったけど。
初日ということもあり、まずは札幌を散策することに。地下鉄に乗って大通りに出ると、休日なのもあり多くの人で賑わっていた。
そんな中、まずは有名な時計台を見に行くことに。北海道出身の方々が口を揃えて「見に行くほどのものじゃない」と言っていた観光スポットは、思っていたよりもずっと都会の中にあった。
デザイン自体は可愛い。これが森の中や草原広がる場所にあれば、もっと映えスポットとして取り上げられていたのでは。しかし、残念ながらビルに囲まれた都会ど真ん中にあり、目の前は多くの車が行き交う道路。立地で損をしている観光スポットなのは間違いない(あと木が邪魔だと思う)。
昼食は味噌ラーメン。流石札幌と言うべきか、至る所にラーメン店が立ち並んでいた。特にすすきの方面は多く、飲み会後に「しめのラーメン」を食べる人も多いのだろう(ちなみに札幌ではしめパフェというのも流行っているらしい)。とても美味しかった。
札幌・すすきのといえばこの看板。夜はもっとネオンが煌めいて華やかになるだろうことが予想できる。そして目立ったのは、夜の店の無料案内所の多さ。そこは軒並みまだオープンしていなかったからか、昼間は割と閑散としていた。
そのまますすきのを南下していくと、見えてきたのが中島公園。「日本の都市公園100選」、「日本の歴史公園100選」にも選ばれる自然豊かな公園であり、園内には大きな池や歴史的建造物が点在する。
日差しは暑い中、木陰はとても涼しい……。全体的に気候が日本っぽくないのだ。
おしゃれな建物も。 この建物の前にあったベンチで休憩していたら、目の前で撮影会が始まっていた。学校の制服を着た女の子を数人のカメラマンが撮影しており、芸能人か何かかと最初は思ったが、立地的に夜のお店系の撮影だったかもしれない。
しばらく公園に滞在した後で、今度はすすきのを北上して札幌駅へ。ホテルのある新札幌に戻った頃には日も暮れており、半袖だと夜風が寒いくらいになっていた。さすが札幌。
夕飯は海鮮丼。北海道といえばラーメンと海鮮である。
2日目
北海道2日目は札幌から足を伸ばし、小樽まで行くことに。札幌から小樽は電車で30分程度の距離であり、何もかも距離が遠い北海道の中では比較的移動しやすいと感じる。
曇り空が広がる中で、小樽に到着。駅前にはバスステーションもあり、札幌より西側に向かう際の1つの拠点になっているようだ。今回は小樽そのものが目的地のため、そのまま海に向けた道を進む。
かつて港湾都市として栄えた歴史を持つ小樽では、街のあちこちにその名残を残している。現在はそこまで人通りはなく、休日ではあったが観光客もめちゃくちゃ多いわけではなかった。小樽運河はライトアップが有名とのことで、本番は夜なのかもしれない。
有名な小樽運河。多くの船が止められている姿は壮観だった。おそらく、小樽を訪れた人のほとんどはここに集うのではと思う。外国人観光客も非常に多く、出店もあった。
港町らしく、海鮮丼や寿司屋が数多く並んでいるのも小樽の特徴。自分が入った店のおすすめメニューはウニやサーモン、いくらがたっぷり乗せられており、値段はなんと5,000円以上。自分は懐事情もあり、サーモンいくら丼を注文した(それでも3,000円)。サーモンは非常に肉厚であり、値段を裏切らない味。北海道の海鮮を堪能したいのであれば、ぜひ小樽へ行こう。
昼食を摂り終えたあとは、時間にも余裕があったためJR線を利用して余市へ。朝ドラ「マッサン」の舞台ともなった街であり、現在もニッカウヰスキーの工場があることで知られている。ただし、工場見学は事前予約が必要なため要注意(知らずに行った)。
そして余市で工場見学ができなかった場合、時間を持て余す可能性が高まることにも注意が必要だ。もう少ししっかりプランを練れば良かったと思いつつ街中を彷徨い、夕暮れと共に札幌へと戻ることになった。
途中から雨が降り始める天候だったのが残念。快晴なら恐らく結構な絶景だったはずだ。
3日目
3日目は北海道西部に位置する積丹半島の神威岬へ向かうことに。今回の旅行中もっとも天気が良く、それでいて気温は20℃台前半ともっとも動きやすい気候だった。
とはいえ、移動は高速バスを利用。札幌駅からバスに乗り、移動時間はなんと3時間半。神威岬近辺は在来線も通らず、移動手段は車のみとなるためほかに選択肢はない(車の運転に慣れている人はレンタカーも有り)。ちなみに、高速バスが神威岬に行くのも9月までとなるため、観光を考えているなら注意が必要だ。
ひたすらバスに揺られるが、外は普段東京に住んでいると見られない景色ばかりであり、意外と退屈はしなかった。高速バスは席にスマホ充電用の電源も用意されているため、おすすめだ。
9時のバスに乗り、到着したのは13時近く。海沿いで風も強かったからか、札幌と比べても気温はグッと低い印象だった。
とにかく広いと感じる風景。
神威岬は高さ80mの岬となっており、駐車場や食事などができる「カムイ番屋」もある場所から徒歩20~30分ほどの距離。遊歩道「チャレンカの小道」を歩きながら岬先端に進むこととなるが、昇り降りが多く歩道が狭くなっているところもあるなどやや険しい道のため、向かうなら多少の覚悟は必要だ。
それでも、歩く甲斐はある。「積丹ブルー」とも呼ばれる鮮やかな海の色や、水平線を見渡せる景色は圧巻。日本にいながら、まるで別世界にいるような感覚に陥る風景だ。また、かつては日本海最大の難所にして、「女人禁制の地」でもあるなど、長い歴史を持つ場所でもある。
しばらく絶景を堪能した後で、「カムイ番屋」へと戻ることに。ここで一つ不満が発生した。
神威岬発・札幌駅行きの高速バスが発車するのは14時2分。これが札幌行き最後のバスとなる。そして前述したように、札幌駅を発したバスが到着したのは13時前。岬までは片道20~30分ほどの距離と考えると、まともに観光している時間はなくなるのだ。ちなみに来るとき同じバスに乗っていた男性は、ランチを取ることもなく急ぎ足で帰りのバスに乗り込んでいた。
自分は何も食べずに帰るのは嫌だったので、高速バスに乗るのは断念。その1時間半後にやってくる、小樽行きの普通バスを利用することにした。
カムイ番屋には岬の歴史を伝える資料館的な施設もあるため、時間を潰すのにおすすめ。食堂などは15時で閉まったため、こちらは注意が必要だろう。
バスの時刻だけは不満があったが、それでも北海道に行ったら一度は足を運んでみるべき場所。いろいろな悩みを吹き飛ばすような絶景が待っていることは請け合いだ。
札幌に戻り、夕食は北海道のソウルフードの一つとされる「スープカレー」をチョイス。ルーがサラサラであり、スリランカカレーなどに似ていると感じる。鶏肉も非常にジューシーだった。
4日目
札幌旅行最終日は、北海道大学へ。漫画「動物のお医者さん」の舞台ともなっており、愛読者としてはぜひ言っておきたい場所だった。
札幌駅北口から歩いて10分ほどの位置にある北海道大学。一言で言うなら「巨大」になるだろう。キャンパス内はとにかく広く、観光客や地元の幼稚園の子ども、散歩する人たちなどの姿が多く、逆に学生はいるのかといった雰囲気。「動物のお医者さん」で菱沼さんがキャンパス内で遭難する話があったが、なるほどこれなら有り得るなと感じた。
有名なポプラ並木。この風景だけみると外国のように見える。
また、キャンパス内には「北海道大学総合博物館」がある点もポイント。こちらでは、大学の歴史や現在の学部の特徴を知ることができる。
海洋学の研究とかやってみたかった……。
階段を上って振り返るといた。意外とびっくりする。
その後は時間が余ったこともあり、北海道神宮・円山動物園へ向かうことに。北海道は神社仏閣が少ないなと感じていたが、北海道神宮は流石の大きさ。エゾリスも当たり前のようにその辺におり、ここでも北海道に来たんだと感じられた(4日目にして)。
円山動物園は1951年開園と、長い歴史を持つ動物園。思っていたよりも多くの動物を揃える動物園であり、さまざまなコーナーがあった。
ただ、この日は初日同様に北海道にしては非常に暑く、どの動物もバテ気味だった印象。そんな中で、レッサーパンダだけは動き回り愛想を振りまいていた。
熊は寝てた。
飛行機の時間が迫っていたこともあり、動物園から札幌駅までタクシーを利用。タクシーの運転手はおしゃべりな方で、以下のような話をしてくれた。
- 北海道神宮はロシアの方を向いて脅威に対処している。
- 北海道の道路が広いのは佐賀藩の藩士のおかげ
- 円山公園の辺りは高級住宅街
- コロナ前は公園でジンギスカンをやっていた
- 2030年の新幹線開通に備え、現在駅周りの再開発が進んでいる
そんなこんなで、2度目の北海道旅行は終了。感想として、6月は絶対に北海道へ行くべきということがわかった。札幌は確かに観光スポットこそ少ない印象だが、グルメは豊富であり住みやすい街だと思う(冬の寒さは気になるが)。とにかく、2度の旅行ですっかり北海道に心を掴まれてしまったので、再び北の大地を訪れるのは間違いないだろう。
次は夜のすすきのにも行ってみたい。
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